二酸化塩素Q０３
二酸化塩素って残留塩素の濃度計で計測出来るんですよね？

二酸化塩素A０３：妨害物質の除去や係数（計測）線等が合っていれば計測出来ます

１．DPD式残留塩素計での二酸化塩素の挙動について

二酸化塩素は酸化物質のため、通常のDPD式残留塩素濃度計でも測定出来ます（反応します）。
DPD法には「ジエチルパラフェニレンジアミン法」という長い名称がありますが、「DPD試薬」は基本的に酸化物質と反応し、その数値を拾うのが「DPD法」の基本原理で、酸化物質である二酸化塩素でも反応します（測定されます）。

ですので、適切な係数を与えることで大凡の濃度は分かりますが、正確な濃度計測上で厄介なのは「除外物質」です。
上記したように、DPD試薬は酸化物質に反応するため、多く、測定対象とされている「（有効）残留塩素」のみならず、「オゾン」や亜塩素酸・塩素酸類等々も同時に拾ってしまいます。
その他にも「妨害物質」などと称される物質に反応するため、これらの数値を一々除去するという作業が必要となります。
※なお、「水道法（上水試験法）」での測定においても、この「妨害物質の除外（除去）」といった手順が定められています

もっとも換算値は機種や状況によって微妙に異なることがあります（採用する計測・計測線等が異なるため）が、「残留塩素濃度計」での簡易な換算手法はああります。
当該係数については非常に簡易に用いることが出来、高価な測定装置も不要で便利なため、弊社のお客様にはご注意点や計測時のちょっとした工夫とともにお伝えしてはおります。
※恐れ入りますが、当該係数については弊社お取引先に限ってお伝えしております（お取引のない場合は、お問合せ頂いてもお答えしかねます）

２．二酸化塩素の測定方法について

広く普及している残留塩素濃度計（DPD法）と同様、二酸化塩素濃度計でも厳密な測定は難しく、その精度は測定機器の仕様や測定環境にも左右されますが、測定方法としてはDPD法（波長指定式等）、イオンクロマトグラフ、ヨードメトリー法、隔膜電極式等があります。
最終的には「上水試験法」に則った測定が現段階での公的には厳密な数値となりますが、試薬（滴定）方式は安価という利点がある反面、亜塩素酸イオン（二酸化塩素の副生成物）や残留塩素等の妨害物質の影響を受け易く、厳密な濃度測定には不向き（技術・熟練が必要）のようです。
熟練者の計測模様を見ていると、非常に繊細な作業であることが分かります。

なお、定期的な配管洗浄等の用途では、基本の濃度さえしっかりとしていれていれば（純度の高い二酸化塩素水溶液を用いていれば）、使用時の二酸化塩素の濃度測定は基本的に不要です。
また計測機関ではありませんので計測値を外部に証明・保証等するものではありませんが、ご使用の「二酸化塩素資材」の濃度測定等の御相談にも有償にて応じております（基本的にはDPD法、場合により複数の手法にて計測の上、結果をご報告致します）。